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「嫌韓」ムードを払拭したところで日本に益するもの何もない

 反日・嫌韓でにらみ合う日本と韓国だが、その依存度は大きな違いがある。2013年の日本と韓国の貿易総額は947億ドルで、双方にとって第3位の貿易相手国だ。とはいえ、韓国との貿易で生まれる日本の黒字は253億ドルで、割合にすれば、全体の0.35%(2012年)に過ぎない。

 また、韓国のGDPに占める輸出依存度は48.5%、輸入依存度は46%。日本は、輸出13.4%、輸入14.9%という数字となる。仮に日本という“お得意様”がいなくなれば、たちまち韓国経済は立ち行かなくなるのだ。

 外交・軍事面ではどうか。 韓国は常に、38度線で向き合う北朝鮮の脅威に晒されている。いざ有事となれば、韓国国内に駐在する2万人の米軍(陸軍)と協力しなければならないが、本格的な実働部隊となるのは、沖縄や岩国から向かう在日米軍(空軍、海軍、海兵隊)である。つまり、韓国の命運は在日米軍が握っており、そのためには自衛隊との連携が欠かせないのだ。

『呆韓論』(産経新聞出版)の著者で、ジャーナリストの室谷克実氏はこう指摘する。

「ただ韓国は、米軍と同盟関係にあるにもかかわらず、最近はお互いの利益から中国との連携を密にしているため、中国軍が演習で韓国の防空識別圏を飛んでも文句の1つもいわない。いったい、どこの国と同盟を結んでいるのかという有様です。米国と中国の双方に甘い顔を見せる“コウモリ外交”を続ける連中を、日本だけがパートナーとして信頼する必要はまったくない」

「反日」国との妥協点を模索し、「嫌韓」ムードを払拭したところで、何も益するものが日本にないことだけははっきりしている。

※週刊ポスト2014年6月20日号

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